五感で学ぶ環境の島「佐渡」~体験しよう!「食・農・環境」学習プログラム~

トキを調べよう

トキってどんな鳥?

和名:トキ(朱鷺)、学名:Nipponia nippon

・コウノトリ目トキ科の鳥で、漢字で「朱鷺」と書きます。朱(赤色)の鷺(サギ)という意味ですが、サギとは別の種類の鳥のなかまです。学名はニッポニア・ニッポンと言いますが、これは江戸時代に日本に来たドイツ人の医学者シーボルトが、オランダの博物館にトキの剥製を送ったことから名付けられました。

・トキは日本、韓国、中国など東アジアの広い地域に住んでいた鳥で、約150年前の江戸時代までは日本のどこでも見ることのできた、ごくありふれた鳥でした。田畑にいるドジョウや虫をねらって稲などをふみたおすこともあり、農家からはあまり好かれてはいなかったようです。

・明治時代になって狩猟がさかんになると、その美しい羽根などが高く売れることもあって、トキは格好の目標になってしまいました。また、世の中が急速に近代化するにつれて自然環境がだんだん悪化していき、農薬などによってエサとなるドジョウやカエル、昆虫などが減り、さらには森林伐採などで、ねぐらとなる森が無くなってしまいました。つまり、トキがくらしていた場所を人間がうばってしまったため、トキの数はどんどん少なくなってしまったのです。その結果、今から約85年前の大正14年(1925年)には、一度絶滅してしまったと思われていました。

・その後(1931年)、トキは佐渡で再び発見されて絶滅してしまったわけではないことがわかりましたが、その数はたいへん少ないものでした。また、野生のトキがくらしていくための環境がごくわずかしか残されていなかったため、行政や地域の人々よる懸命な保護活動もむなしく、2003年に最後の一羽であったトキの「キン」は死んでしまいました。野生動物としての日本のトキは、このとき、ついに「絶滅」してしまったのです。

・日本における最後の野生のトキ「キン」が死亡したことにより、現在、日本にいるトキは中国から寄贈されたトキ(生物学的にはまったく同一種)の子孫のみとなっています。日本では「特別天然記念物」に指定されており、国際的にも「国際保護鳥」に指定されている他、ワシントン条約によっても保護されています。

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